遺産分割Q&A
行方不明の相続人がいる場合の遺産分割はどのようにすれば良いですか。
遺産分割でよくあるご相談が昔に家出をして行方が分からない相続人がいる場合や遺産分割のために戸籍を集めたところ面識のない相続人がいることが判明した場合にどのように遺産分割を進めれば良いかということです。
共同相続人の一部を除外してなされた遺産分割協議は無効になりますので、このままの状況で遺産分割を進めることはできません。
そこで、戸籍の附票を取り寄せて最終住所地を確認し、親戚・近隣住民・友人・知人から聴取するなどして、行方不明者の所在に関する調査を行います。
そのような調査を尽くしても現在の住所ないし居所を探すことができない場合、共同相続人は、その行方不明者を「不在者」として、家庭裁判所に対し、財産管理人の選任を求めることができます(民法25条1項、家事事件手続法39条、同別表第1の55項)。
財産管理人が選任されれば、財産管理人が行方不明の相続人に代わって遺産分割協議に参加することにより遺産分割を進めることができるようになります。
また、行方不明者が7年以上生死不明である場合は、失踪宣告の申立てを検討します(民法30条1項)。
もっとも、失踪宣告は、その人が法律上死亡したとみなすという強い効力を持つ制度であるため、単に行方不明であるだけでは足りず、生死不明であることが要件とされます。