相続税の還付請求を検討した方が良いケースやその請求手続など
相続税の払い過ぎが生じた場合には、払い過ぎた税金を返してもらうことができます。
相続税を申告・納付してからしばらくした後、申告の内容を見直した結果、相続税の払い過ぎに気づくことは少なくありません。
その際、「更正の請求」を行って、返してもらうことになるのですが、手続には期限もありますので、早めに手続を行う必要があります。
この記事では、相続税の還付請求を検討した方が良いケースやその請求手続、期限などについて、ご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.相続税が過払いになりやすいパターン
相続税が過払いになりやすいパターンとしては、土地の相続税評価の誤りがある場合や相続税の特例等の適用ミスがある場合です。その他に、申告・納付時に未分割だった遺産について遺産分割が行われたことにより、取得する遺産が減り、結果として当初申告に基づく相続税が払いすぎだったという場合もあります。
土地の相続税評価に関して、誤りやすい場合には、次のようなものがあります。
- 地積規模の大きな宅地の場合
地積規模の大きな宅地とは、三大都市圏においては500平方メートル以上の地積の宅地、三大都市圏以外の地域においては1,000平方メートル以上の地積の宅地をいいます。そのような土地の場合には、地積規模の大きな宅地として評価額の減額を受けられる可能性があります。 - 不整形地の場合
不整形地とは、いびつな土地のことです。いわゆる旗竿地、直交しない2路線に接する土地、屈折路に接する土地などがあります。そのような土地の場合は、評価額の減額を受けられる可能性があります。 - 田畑や山林の場合
などです。
2.相続税の還付を受ける方法
相続税の還付を受けるには、土地の調査などをやり直して適用できる控除を適用し、相続税の更正請求をしなければなりません。
税務署で確認の上「修正の必要がある」と判断されると、更正の決定が出て過払いとなった税金が還付されます。
自分で相続税を正しく計算し直すのは困難なので、更正請求をするときには税理士に依頼するのことをおすすめします。
3.更正請求の手続きの方法や流れ
更正請求の具体的な方法をお伝えします。
3-1.必要書類
更正請求に際しての必要書類は、以下のとおりです。
- 更正の請求書
- 更正の請求の理由の基礎となる事実を証明する書類
- 修正申告書
- 本人確認書類のコピー
それぞれについて、説明します。
更正の請求書
まずは、更正の請求書を作成しなければなりません。
「相続税の更正の請求書」、「相続税の更正の請求書の次葉」を作成しましょう。
請求の根拠となる書類
次に、更正の請求の理由の基礎となる事実を証明する書類を用意しなければなりません。
遺産分割協議書、判決書など、状況に応じて用意しましょう。
本人確認書類
本人確認書類も必要です。以下のようなものを用意しましょう。
- マイナンバーカードの写し
- 身分証明書(運転免許証など)の写し
3-2.更正請求の流れ
STEP1 更正請求書類の提出
まずは、更正請求書などの書類や資料をそろえて税務署へ提出します。
STEP2 審査
税務署で書類の審査が行われます。審査には、2~3ヶ月程度かかるケースが多数です。
STEP3 税額の還付
更正の請求に理由があると判断されると、税額の還付を受けられます。一般的には更正通知書が送られてきて、その後、2週間程度で指定口座へ還付金が振り込まれます。
3-3.更正請求の期限
相続税を還付請求する場合には、期限にも注意が必要です。
相続税の申告期限後5年間しか、更正の請求ができません。つまり、相続開始の翌日から5年10か月が期限になります。ただし、後発的理由などにより更正の請求を行う場合には、それらの事実が生じた日の翌日から2か月又は4か月以内が期限です(理由の内容により期限が異なります。)。
期限を経過すると、たとえ相続税を払いすぎていても還付してもらえなくなるので、早めに対応しましょう。
少しでも相続税を払いすぎている可能性があるなら、できる限り早く相続税に詳しい税理士に相談するようお勧めします。
3-4.更正請求の結果に不服がある場合の対処方法
更正請求が認められなかった場合、「更正すべき理由がない旨の通知書」が送られてきます。税務署長の処分内容に不服があれば、国税不服申立制度を利用しましょう。
国税不服申立制度には、以下の2つの方法があります。
- 税務署長に対する再調査の請求
- 国税不服審判所に対する審査請求
国税不服申立制度の判断にさらに不服がある場合には、税務訴訟にて争うことが可能です。税務訴訟は、裁判所へ提起して行います。
4.相続税の還付請求は「まるっと相続」へお任せください
金沢の「まるっと相続」では、相続税の還付請求手続に限らず、相続税案件に対応しております。「相続税を払いすぎたのではないか?」と気になっている方はぜひとも一度、ご相談ください。