遺産の調査方法について

相続人になったら、遺産内容を調査して明らかにしなければなりません。

遺産の範囲や内容が明確にならないと、遺産分割協議も進められないからです。

遺産調査をするときには、資産だけではなく負債も調べましょう。

今回は遺産の調査方法を解説します。

相続人の立場になって預金や不動産、株式、借金などの調査方法がわからない方はぜひ参考にしてください。

1.預金の調べ方

被相続人が預金を遺した場合、相続開始時や遺産分割時の残高を確認しなければなりません。

まずは、被相続人が利用していた金融機関に対し、預金の「残高証明書」の開示を請求しましょう。残高証明書とは、一定時期における預金残高を金融機関が証明してくれる書類です。

相続開始時の残高証明書を見れば、預金内容を把握できます。

ただし、相続開始前後に出金されていて残高が変動していると予想される場合などには、一定期間における「取引明細書」を取得しましょう。たとえば、相続開始の1か月前から相続開始後1か月後までの2か月分の取引明細書を取得すれば、その間の入出金や振込履歴などを把握できます。

残高証明書も取引明細書も金融機関へ申請して取得します。相続人の身分証明書や被相続人との関係を示す戸籍謄本などを持参して申請書を書いて提出すると、発行してもらえます。

残高証明書・取引明細書を申請する場合の注意点

金融機関へ残高証明書や取引明細書を申請する場合、「対象の金融期間を支店名まで特定」しなければなりません。

どの銀行のどの支店に口座があるかわからない場合、開示請求ができないのです。

ただし、ゆうちょ銀行の場合には支店情報がなくても開示請求ができます。

2.不動産の調べ方

遺産の中に不動産が含まれている場合には、不動産の内容を調べなければなりません。

まずは自宅に以下のようなものがないか確認しましょう。

  • 権利証、登記識別情報通知書
  • 不動産の登記事項証明書
  • 不動産に関する売買契約書などの契約書類
  • 被相続人が作成した目録

上記のような書類が見つかったら、その情報をもとに法務局へ申請して最新の不動産全部事項証明書を取得してください。

不動産が複数あって全貌を把握するのが困難な場合には、役所で「固定資産課税台帳の写し(いわゆる名寄せ帳)」を取得しましょう。名寄せ帳には、その市町村内において被相続人が所有しているすべての不動産がまとめて記載されています。

ただし、固定資産課税台帳は自治体ごとに管理されているので、不動産の所在が複数の市町村のまたがる場合、すべての市町村へ名寄せ帳を申請する必要があります。

3.株式や投資信託の調べ方

被相続人が株式や投資信託などの資産を持っていた場合には、証券会社へ問い合わせをしましょう。

取引していた証券会社に対し、相続人の身分証明書や相続人であることがわかる資料を提出して申請書を提出すると、その証券会社との取引内容を開示してもらえます。

どこの証券会社と取引していたかわからない場合、自宅に届いた配当金や株主便りなどの郵便を見ると保有していた株式が判明するケースがあります。

また、自宅へ郵便を送ってきている「信託銀行」に問い合わせると保有している株式が判明する可能性もあります。

最終的には「証券管理振替機構(ほふり)」(http://www.jasdec.com/)
へ情報照会すると判明するケースが多いので、問い合わせてみましょう。

4.借金や負債の調べ方

被相続人が借金や負債を負っていたら、相続人に引き継がれてしまいます。

相続放棄するかどうかを判断するためにも、借金や負債の状況を調べましょう。

負債を調べる際には、以下のような方法があります。

4-1.自宅に届いている郵便物を調べる

負債を支払っていない場合、自宅に郵便で督促がくるものです。

まずは自宅内に貸金業者からの督促状や滞納光熱費、通信費、税金などの請求書が来ていないか確認しましょう。郵便受けの内容もきちんと確認すべきです。

4-2.留守電や着信、メールをチェックする

負債を支払っていないと債権者から支払督促の電話がかかってくるケースも多々あります。

留守電に記録がないか、貸金業者などからの着信がないか、メールが届いていないかなども確認しましょう。

4-3.信用情報の開示請求を行う

クレジットカードや消費者金融、カードローンなどのクレジット・ローンを利用していた場合には、信用情報の開示請求が有効な対処方法となります。

信用情報の開示請求をすると、被相続人が取引していたクレジットやローンの利用状況がわかるからです。

以下の3つの信用情報機関に対し、情報開示請求をしましょう。

5.贈与税申告書の開示請求について

相続税の申告を行う場合、相続開始前の贈与の状況について確認する必要があります。

相続開始前3年以内の贈与財産には相続税がかかるからです。

また、相続時精算課税制度を利用した場合にも、相続税の課税対象となります。

ただ、相続人が生前にどういった贈与が行われたのか把握するのは困難でしょう。そこで法律により、贈与税申告書の開示制度がもうけられています。

贈与税申告書の開示を受けたい場合には、税務署へ開示請求を行いましょう。時期は被相続人が死亡した年の3月16日以降で、必要書類は以下の通りです。

  • 遺産分割を行う場合…遺産分割協議書の写し
  • 遺言書がある場合…遺言書の写し
  • 上記以外の場合…相続関係がわかる戸籍の謄本や戸籍抄本

相続税申告書の開示は受けられない

「他の相続人の相続税申告状況がわかれば相続財産の内容を把握できるのでは?」と考える方もおられます。

ただ、税務署へ他の相続人の提出した相続税申告書の開示を求めても、個人情報を根拠に拒絶されます。他の相続人の相続税申告状況を知りたい場合には、他の相続人と話をして任意に開示を受ける必要があるといえます。

遺産相続したら、相続財産の調査が非常に重要です。お困りの際には金沢の「まるっと相続」の専門家がお手伝いしますので、お気軽にご相談ください。

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